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KOCのLG大陸在住のレンヴァルドの日記。関係ない人は回れ右!絵の持ち帰りは落書き以外基本厳禁。ネチケとKOCマナーをお守りくださいねー
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2009/06/15 (Mon)
タイトル:ただいま


心のもやもやが、どうして生まれるか知ってる?

もやもやはね、今は分かっちゃいけない事、考えちゃいけない事から守ってくれる

人間は賢いけれど、考えすぎて駄目になってしまう事もある

だから、精霊がもやもやを出して守ってくれるのよ




――そんな話を思い出した。



甘くて濃厚な空気。
暖かく、しっとりとした光。
小動物がまどろむ、平和な森の昼下がり。
「久しぶりだね」
苔が生えてきた墓を見て、そう呟く。
いつも帰ってきては、掃除をするべきか迷い、結局しないままの其れ。
水をかければ起こしてしまいそうな気がして、できなくて。
いつも、取り留めの無い事を墓に向かって喋る。
軽く脚色しながら、自分の冒険の足跡を伝えていく。
静かな、故郷の時間。

「レン」

彼女が隣に座る。
肩が触れるか、触れないかの、一番心地の良い距離を取ってくれる。
「ごめんね、子供達がもう動き回って…」
「ネルフェ一人で大丈夫?」
「少しくらいはね、お父さんしてもらわないと」
二人で小さく、ふふっと声を出して笑う。
「皆、大きくなったね」
「レンも、大きくなったね」
「そう?」
「そう。色々な苦労したんだなって、顔付きが大人になった」
照れが頬に出ないように、はぐらかすように墓を見る。
「貴方は、どう思う?」
返事は返らない、当然だけど。
返事の期待しない、問い掛け。

少しばかりの沈黙の間、逡巡する。

「ノ・ノーラ、もやもやの精霊、憶えてる?」
「うん、憶えてる」
彼女が頷くのを見て、続ける。
「最近、もやもやが減ってきたんだ。
 だけど、見えてくるもの、考えるものは、とても怖くて。
 俺は猫族みたいに忍び足でしか、進めなくて」
もやもやの精霊が守ってくれたもの。
外を知らず、元気だけで過ごしてきた子供時代。
深く考えず、ただ知りたいという欲求に負けないように、守ってくれた。
「うん」
彼女は微笑んで、頷く。
「レンは、大きくなったよ。
 だって、外に出て、前に進めているもの。
 もやもやの精霊が、手助けしなくてもいいくらいに…大人に、なってるんだよ」
彼女は素敵な笑顔を作ってくれた。
すっかり大人になった、母親としての顔で。
昔と変わらない、幼馴染の声で。


遠くで子供の泣き声が聞こえる。
ネルフェの怒号も、聞こえる。
行かなくちゃと、少女は笑って駆けて行った。
その後を追うように立ち上がる。
一度だけ、振り返って。
「また、来るね」
そう、言い残した。


そこは静かな故郷。
大切な、故郷。

文:小雑貨様
絵:アンフェルシード様


2009042501.jpg











ちょっと前にあった素敵な企画。
こうゆうのを頼んだのって初めてだったのでとても貴重で緊張した…!
素敵な言葉と素敵な色をどうもありがとう!

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