Bloody rose

日もすっかり落ち、辺りが静寂に包まれる頃。

鼻をくすぐるような豊かな芳香が店の中に漂っていた。
熟成させ、深みを帯びた葡萄の香りはそれが上質なものであるとすぐに判るほど自らを主張している。
嗅ぐ人によってはすぐに酔いが回ってしまいそうだ。

「うん、これ凄く良いものだよね。…こんなの用意できるなんて、本当にもしかして偉い人なの？」
「ふふん、だから最初から言ってるだろう公爵と！」

ワイングラスを軽く舐めながら問う店主に、褒め称えよといわんばかりに胸を張っているのは店にいる狐の1匹。
彼曰く『媒介』らしいが、時折本物が混じっていたりするから本当の所良く分からなかったりする。
今回のハロウィンに力を入れたいことを話したところ、快く協力してくれ、おまけにお目当てだった上質のワインまで届けてくれたので今回初めて尊敬できた気が、する。公爵というのも本当なのかもしれない。
本人に言ったらきっと怒るだろうから口に出す気は無いけれど。

「ところで店主…ちなみに本当に『アレ』、入れるのかい？」
ちょっぴり眉を顰めて見つめる先にはもう一つの頼んだもの。
こちらも上質なものを揃えてくれたようだ。

「うん、もちろんっ」
キッパリと、にこやかに返した店主の返事を聞いて、狐は軽く笑う。

「今年は面白いことになりそうだね…フム、出来上がったら僕も少々頂いてくよ！」
「もちろんどうぞ！これは配ってこそ意味があるしね」
「あぁ、素晴らしきハロウィンを迎えようではないか」


…後日。
出来上がったそれは予想の上を行き。
満足げに仕分けする店主の姿があったという…

（背景：琥珀月様より）
価格：20,000G

ほぼローカルにハロウィーンを満喫する為友人用に作ったようなもの。
半数以上配れてないけどorz

一度はこうゆう禍々しいもの作ってみたかったんだけど…中々良いイメージが…
って思ってたら禍々しい背景はっけーーーん！！
ツァイさん本当にいつもお世話になっています。

中身はドロッと赤黒い液体。
正体はワインに極上の唐辛子を漬け込んだもの！！
辛いものって飲み込んじゃったりすると物凄くきっついよね！！
しかも液体だから染み渡って暫くどうにもなら無いという。
分かっててやったなんていわないよ、うん（←

名前の由来は飲み込むと、激しく咳き込んで最終的にワインを落し…
その様子が、薔薇を散らしたような血溜まりに見えるから。
フフ、こんなところ！